仁政

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株式会社 微分のカルチャーを紹介するブログ。

04 Jul 2021

微分的情報収集

今回のブログでは、株式会社微分で採用している情報分析の方法についてお話しさせていただきます。ネットで検索すれば大変多くの情報にアクセスできる便利な時代になりました。しかし、検索で出てくる情報には往々にして制約が課せられています。たとえば、GoogleやYahooでは、我々の過去の検索履歴から一定のアルゴリズムを通して予測変換機能が作動しています。その結果、検索して真っ先に入ってくる情報は、我々に良くも悪くもカスタマイズされた情報となります。こうした情報バイアスは、自分に合った情報にアクセスがしやすいという「便利さ」がある一方で、我々に入ってくる情報が「狭隘化」してしまうといった負の側面があります。これらを鑑みて、弊社微分では、社内で共通認識となる情報収集の道しるべを作りました。

※下記の情報収集に関する一連の流れを厳格化して微分で採用しているわけではなく、あくまで一つの道標としての位置付けであるということを予め記しておきます。

まず、情報収集を行う上で先んじてやるべきことは、「全体設計」です。弊社では5つの段階からなる全体設計を考えました。

1 情報収集を行う目的を決定する。複数名で行う場合は、共通認識を統一させる。

企業分析を行うにせよ、製品分析、または事例分析を行うにせよ、まずは「情報収集を行う目的」を決定します。目的が定まらない状態で情報収集を始めると、基準となる軸や回収した後の具体的なアクションも曖昧模糊になってしまうため、目的の決定は情報収集を行う上で大変重要な要素です。ここで定める目的は、具体的であればあるほどイメージを持って情報収集に移ることができるようになります。また、情報収集を行う前に具体的な目的を明示しておくことで、情報収集は幾分とショートカットできます。必要な情報を適切に収集するためには、目的を予め定めておくことは重要なのです。

2 仮説を設定する

情報収集の目的を決定した後に行うべきことは、「仮設の設定」です。仮説とは、ある現象を合理的に説明するために前もって仮に立てた考え、換言すると、「目の前の問題状況に対する暫定的な説明」といえます。実際に情報収集を行う前に仮説を設定する理由としては、情報収集をもとにできる限り早くそれを基にしたアクションに移ることができるからです。情報収集は大変に重要な作業ですが、骨が折れることも多々あり、全ての情報を適切に回収してから次のアクションに移ろうとすると、大変な時間がかかってしまいます。そこで最小限の調査で仮説を立ててから調査に臨むことで、効率よく必要な情報を集め、仮設の検証・修正を繰り返しながら、論理的な結論を導くことにしています。回収する情報の量は重要な要素であるため等閑視できませんが、スピードは往々にしてそれ以上に重要な要素となります。弊社では、1秒で決断することを社内カルチャーとしています。メンバーがスムーズにアクションに移れるよう、仮設の設定は重要なのです。

3 情報収集に必要な項目を決定する

仮設の設定が終われば、仮設の根拠を分解して情報収集項目を検討します。理由は大別して2つあります。1つ目は、仮説を支える一つ一つの根拠となる情報の正確性と蓋然性の把握、2つ目は、その仮説の根拠の背景にある現象の把握であります。これらを行うための情報収集項目を検討するのです。1つ目の正確性や蓋然性の把握には、「推論」を理解しておくことが重要です。簡略してご説明します。

3−1 推論とは

 

推論とは、大別して、「演繹法:Deduction」と「帰納法:Induction」があります。演繹法とは、「一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る論理的推論の方法」と言えます。他方で帰納法とは、「個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見出そうとする論理的推論の方法」です。一例を挙げます。

演繹法:「関東圏に住む高校生の大学進学率が高い」(一般的な前提)と「東京一極化により関東圏への人口増加が顕著である」(事象)から、「国内の大学進学率は上昇している」という結論を引き出す。

帰納法:「過去10年間で大学の進学率は下がっていない」「過去10年間で大学の数が増えた」(事象)から、「教育費の高騰化の影響は限定的」という結論を導き出す。

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4 情報収集手段に必要な収集手段を設定する

情報収集手段は、どのような情報を収集するかにより手法は当然異なります。またその種類も、「一次データと二次データ」として分けられることもありますし、「量的データと質的データ」として分けられることも、また、会社の経営企画部署では、「デスクリサーチ・ヒアリング・アンケート」といった形で分けられることがあります。弊社微分では、情報収集したい対象により「集合知か個知か、またはその両方が必要か、そしてその両方が必要であればどのような比重で情報収集を図るのか」を検討することにしています。例えば、「コロナの影響による観光産業への経済的インパクト」であれば、二次情報で情報収集が可能であり、一人一人にヒアリングするようでは、キリがありません。しかしながら、観光産業の中でも、「特定の領域の特定の群」となると、二次情報では最新の動向も、適当な影響は把握も当然だができない。その場合は、定性的な把握が必要となり、個知に係る情報を回収することになる。さらに、敷衍すれば、経済的インパクトを受け、精神的にダメージを受けている対象から情報を回収する場合、どのような定性的手法で情報を回収するかを使い分ける必要です。定性的な調査方法と単に言えど、さまざまな種類があり、その一つ一つに知悉していなければ、情報を回収する側も回収される側も、副次的な影響を受ける可能性が生ずる。弊社微分では、定期的に情報の収集手段についてこの文章を作成している現時点では実現こそしていないが、定期的に情報交換をする場を設けていきたいと考えています。

また、実際に情報を得る際には、留意しなければならない点があります。「情報の信頼性」「情報の偏り」「情報の最新性」は最低限、留意しなければなりません。誰でも無制約に情報を発信することができる時代において、情報の信頼性は常にセンシティブに感度を高く保ち続けなければならないことを示唆していますし、冒頭で述べさせていただいた通り、情報のアルゴリズム化による視野の狭隘化は情報の偏りに陥らせる大変危険な要素であり、意識して留意しなければならないことであります。情報源には多々の種類がありますため、一つ一つ詳細を述べることこそできませんが、情報源の特徴を纏めた図は、下記になります。

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こちらの図で示した各情報源の特徴はあくまで筆者の私見に基づくものであります。このように情報源は多岐にわたりますので、適材適所に必要な情報源にアクセスをすることが肝心です。

5 適切な手法と成果物をきめる

さて、必要な情報がある程度集まれば、それらを分析して成果物を作成していきます。ここで明記すべきは、成果物の大切さです。より具体的には、「成果物を作成してフィードバックを得る大切さ」と言い換えることができます。よくあることですが、上述1-4までの段階を終えたにもかかわらず、最後の成果物を作成・提出しないまま一連の作業を終えてしまう人が非常に多いです。成果物の完成度は確かに重要ではございますが、7-8割程度の出来栄えであったとしても成果物は必ず出すべきです。さらに言えば、たとえ7-8割程度のみしか完成していなかったとしても、未完成のまま提出することには大変な意義があります。大きな意義とは主に2が挙げられます。

未完成でも成果物を出す意義:一つ目は、成果物を出してフィードバックを得ることで、自分が辿ってきた道がスタート地点で定めた目的とズレていないかを確認するためです。完璧な成果だと自分では思っていても、それを判断するのは自分以外の人間です。ですので、成果物というのは大抵の場合、相手の価値観が判断基準となります。その乖離を認識するためにも、成果物は提出しなければなりませんし、理想的には、上述した5段階全てのフェーズでフィードバックを得たいところです。

未完成でも成果物を出す意義:二つ目は、成果物は人目に触れて初めてその価値が評価されるという考え方で、別言すると、どれほど良い成果物であっても、人目に触れなければ価値がないということです。ですので、弊社ではメンバーがアウトプットをする時間を他社様よりも頻繁に設けています。アウトプットが頻繁に求められるため、メンバーは素晴らしい勢いでインプットを行うのです。

さて、最後の段階である適切な手法と成果物についてですが、次週のブログにてお話しさせていただきたいと思います。

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